2010年1月16日 23:52
アフリカのケニアで15日、ジャマイカ出身のイスラム聖職者を政府が拘束していることに対するデモが行われ、警官隊と衝突、少なくとも5人が死亡した。
デモは、ケニア政府がジャマイカ出身のイスラム聖職者、シーク・アブドラ・アル・ファイサル氏の身柄を拘束していることに抗議するもので、デモ隊の中にはソマリアの反政府グループ「アル・シャバブ」の旗を掲げる者もいたとのこと。
(http://www.mbs.jp/news/jnn_4332623_zen.shtml)
ケニアでは、沿岸部を中心にイスラム教徒の多い地域が広がっており、私がケニアに住んでいたときもナイロビやモンバサでイスラム教徒によるという報道のテロが起きていた。ナイロビでのテロは、私が通っていた語学学校から200M先で起きたこともあり、今でも当時の事件を鮮明に覚えている。
アフリカの宗教というのは、なかなかイメージしにくいかもしれないが、ケニアに限って言えば50%以上がキリスト教徒(カトリック・プロテスタントを併せて)であり、私たちがメディアなどでイメージしてしまいがちな伝統宗教の方がむしろ割合としては低い。もちろん、キリスト教が伝播した際に、伝統宗教と混ざり土着化したような経緯もあるのだろうが、日曜の朝に教会に必ず
通っている多くの友人を思い返せば、形式的にもキリスト教徒の人間が多かったように思う。
肌の黒いイエス様にお祈りしているその風景を見ていると、映画「マルコムX」で「イエスは出生地から考えれば、肌が白いはずが無い」というワンシーンが頭に浮かんだことを思い出す。
イスラム教徒に関して言えば、その割合は非常に少ないのだが、歴史的に見れば、バスコ・ダ・ガマがインドへの水先案内人を雇った地がケニアの沿岸都市マリンディで、15世紀の頃にはインドを含むアラブ地域との貿易拠点だった経緯もあり、遅くともその時期からイスラム教徒がケニア沿岸部に住んでいたと思われる。
ケニアでのイスラム教徒によるテロ事件は、無政府状態であるソマリア(ケニアの北)でのイスラム過激派と呼ばれる人たちの勢力拡大との関係性があるとの認識から、ケニア政府は彼らへの危機感を強めている。
今回は過激的な発言を繰り返すアル・ファイサルがそれらの過激派勢力を刺激しないかとの恐れから、政府は彼を国外追放しようとしたが、彼の出国先ガンビアの経由地であるナイジェリアでビザが発行されなかったため、彼の拘束が現在も続いているとのことだ。
アフリカにおける宗教問題は、ケニアに住んでいた頃から非常に興味があったので、また報告させていただきたいと思うが、いずれにせよ、暴力によって人が亡くなってしまうのは本当に悲しい。